白隠正宗 生もと(もとは酉へんに元)の純米酒について
(ラベルより抜粋)
生もと造りは現存する日本酒造りのなかでもっとも伝統的な造り方です。日本酒は、モロミを仕込む前にまず、「もと」と呼ばれる酒母で酵母を培養します。どうしても空気中から雑菌や野生酵母が混入してくるため、それらを駆逐する目的で速醸仕込みでは乳酸が加えられます。このとき、あらかじめ別に作っておいた乳酸を加えるのではなく、もともとその蔵や自然のなかに生息している天然の乳酸菌を取り込んで、それが生成する乳酸で雑菌や野生酵母を死滅させるのが、生もと系の酒母の造り方の基本的な特徴です。「おし味」といわれる生もと独特の味わいがあり、常温〜上燗で楽しめます。
白隠正宗の「少汲水」「山廃純米」、どちらもしっかりとしたお酒ですが、この「生もとの純米酒」は明らかにどっしりとした太い味わい。お燗にするとより味わいが明確になり、キレも増してきておすすめです。ゆったり構えておおらかな気分で飲みたい一本。麹米は「誉富士」60%、掛米は「あいちのかおり」65%精米。使用米も精米歩合も使用酵母も「少汲水」と同じです。造り方ひとつでまったく違う味わい。奥が深いです。脂の乗った魚やお肉料理にも負けません。